Mie's Living - 過去の展覧会06年~08年

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今回の展覧会に寄せて、福本潮子先生は
「私は民藝を新しい感覚でとらえて、現代生活の中で生かしたいと考える。
日本の風土から生まれた伝統的な感覚を、コンテンポラリに展開したい」
と仰っておられます。

"ギャルリー田澤"の西洋骨董と布、そして我が家、三者のコラボレーションは胸の高ぶりを
抑えられないほど魅力的です。「民藝」はたえず進化しつづけております。


私の憧れの京都は祇園祭も終わった夏の夕暮れとき。風もはたと止んで、明るくもなく暗くもなく、
倦んだような空気があたりを埋め尽くす時間があります。空気や木の葉、人影、
川の流れすらも、そこに佇んでいるような・・・だれも動かない午後。

京都に住む人は水やりの加減と時間についても、一家言持つ人が多いのです。

へたな時間に水を、それも不細工に撒いてはいけないのです。
その辺りの息づかいをみだすと、たぶん、江戸でいう「野暮」というような、
無言の非難がどこからともなく押し寄せるのでしょう。

余所者の私達が地団駄ふんでも追い付けない領域・・京都。それが今回の展覧会です。

潮子先生の布への想いと、田澤ご夫妻の何層にも重なった「美」への感性は息をのむほどです。

「美」を価値とするところには平和があることを、芸術家はそれを使命としているにちがいありません。

愛は美を呼び、美は愛を生む・・・そんな展覧会です。



今年は「藤井勘圿絵画展」と「洋燈と卓上の美」

藤井先生の絵を中心に、オイルランプ(舶来・国産)の灯りが室内を優しく包みこんでくれます。

テーブルには、ラリック、シュナイダー、バカラのランプ。
花器、グラス、デキャンタ、等々。卓上の美を演出して頂きました。

私は藤井さんの作品に出会った瞬間、新しい日本画だと確信しました。
泊や墨、水彩、鉛筆、岩絵の具など多彩な画材と技法を使い繊細にして華麗、
古きものへの憧憬も感じさせる作品の世界。

我が家の広間に藤井さんの「蓮」の絵を求めたのはその力に魅惑されたからに他なりません。

この10日間はまさに至福の刻でした。我が家も喜んでいるかのようです。

紫陽花の満開の箱根にて。


ギャルリー田澤は、私にとって特別なお店です。

器類とガラス、ランプ、照明器具や、和・洋のラリック、バカラ、古伊万里、印判、江戸硝子、切子など、
様々なものを扱っていらっしゃるのですが、そのひとつひとつが、田澤夫妻の審美眼で選びぬかれた
素晴らしいものばかり。

骨董は陶器類だけにしようと、私は長い間、自分を縛っていたのですが、ギャルリー田澤で、
光り輝くグラス類や照明器具を見たとたん、そんな決意はあっという間に、どこかに消えてしまいました。

それから約20年がたちました。今や、京都は、私にとって大好きなギャルリー田澤のある街となり、
ご夫妻とはお店にうかがってお話を伺うだけでなく、公私にわたって親しくお付き合いをさせていただいています。

ルネ・ラリックを中心に、バカラ、ブリストル、ガレ、デルフト、古伊万里などを組み合わせた、
田澤ご夫妻の見事なテーブル・セッティングと、古民家の柱や梁を生かして建てた我が家との
コラボレーションが見事に完成しました。

田澤さんのテーブル・セッティングは、一瞬の出会い、一瞬の時間に、すべてを凝縮して人を
もてなそうとする一期一会の粋の世界。そして、テーブル・セッティングと、グラスにかすかに映る山の緑、
テーブルの上にふわりと漂う風の匂い、そして今このときの光に照らされた空間との出会いもまた、
一期一会といえるのではないかと感じます。