toplogo.pngyamaboushi.pngyamaboushi.pngevent.pngevent.pngessay.pngessay.pnghamablog.pnghamablog.pngaccess.pngaccess.png

山岸厚夫 仲間と愉しむうるし展

山岸厚夫「錦壽」訪問記1昨年の12月と1月の2度、福井県鯖江市にある山岸厚夫さんの工房「錦壽」にお邪魔してきました。

米原で特急しらさぎ号に乗り換え、琵琶湖を眺めながら列車は北陸本線を北上、いくつかのトンネルを過ぎるとそこは銀世界でした。列車の窓を通じて日本海側の冬の厳しさを感じながらも、山の稜線に積る雪はとても美しく、その奥にある日本海はいったいどんな姿をしているのか、そんなことを考えているとあっという間に鯖江に到着しました。

今回、山岸さんをご紹介してくださった「がんこ本舗」のきむちんこと木村正宏さんと駅で合流したと同時に、山岸さんが迎えにきてくださいました。

山岸厚夫「錦壽」訪問記2人口約7万人の鯖江市は漆器とともに眼鏡の特産地としても有名ですが、眼鏡のフレームの国内シェアは96%、世界シェアも20%というまさに「物作りの町」です。

きむちんから「山岸さんの工房は凄いから楽しみにしておきなよ~」と言われていたので胸をドキドキさせながら車で走ること約20分、「うるし工房 錦壽」と書かれた看板が見えてきました。

現在は別の工房があるため、こちらでは一部の作業しか行っていないそうですが、趣きのある建物は歴史を感じます。太い梁や柱は箱根やまぼうしと似ていて、どこかホッと安心できます。

山岸厚夫「錦壽」訪問記3十年以上も前にテレビの取材で母も訪れたことがある「錦壽」の玄関をくぐり、2階に通していただくと箱根と同じように木に囲まれた空間に山岸さんの作品が並べられていました。部屋の中央に置かれた見事な丸テーブル、漆が塗られていると思うと傷をつけてしまいそうで緊張します。そんな我々を見て山岸さんが優しくおっしゃいました。

「漆は本来とても丈夫なものだから心配しなくていいですよ。たとえ傷がついても味がでていいじゃないですか。」

僕を含め、多くの人が漆は傷がつきやすく、扱いが大変、きっとそんな考えをもっているのではないでしょうか。山岸さんが展示会で日本全国を回るとお客さんから聞かれるのはそういった「扱い」についての質問ばかりだったそうです。

山岸厚夫「錦壽」訪問記4「漆は古くは縄文時代から使われ、日本人の暮らしとともに歩んできました。丈夫で使いやすいものだからこそ、漆はこれだけ長い歴史がある。もちろん鑑賞用の優雅なものもあるけど、本来漆器はとても“実用的”なものなんですよ。あまりにも多くの方がキズをつけてしまうのが怖い、とおっしゃるので、だったら最初からキズをつけてしまおう、と考えるようになりました。」

最初からキズをつけてしまう?

「ジーパンと一緒です。ジーパンを買うと新品の雰囲気が嫌でわざわざ何度も洗濯してから使用したり、最初から古びた感じを出したものが売っていますよね、あれと同じです。」

山岸厚夫「錦壽」訪問記5山岸さんの作品は塗り上がった後に細かいサンドペーパーで全面を磨かれ、その後、さらに漆を刷り込んでいく「拭き漆」という作業を経るため表面がとても強くなり、その結果、爪を立てて引っ掻いても傷がつかないほど丈夫になったそうです。

「それに加えて僕の器は「木固め」といって木地にもたっぷり漆を含ませているからそう簡単には剥がれない。毎日使うものだからこそシンプルで美しく、そして丈夫に、そう思って作っています」と山岸さんはおっしゃいます。

山岸厚夫「錦壽」訪問記6最近、山岸さんは植物としての「漆」についての研究も行っているそうです。

「まぁ、ここで話していてもなんだから、表に行って実際に漆の木を見てみよう!」

そう言って庭にある漆の木を使い丁寧に漆ができるまでの工程を教えてくださいました。植物は動くことができないので、動物に食べられないように毒素を出したり、食べられても回復する作用をもっていたりと様々な自己防衛機能を持っていて、漆のかぶれもその機能の一つだとおっしゃいます。

「漆に直接触るとかぶれてしまうけど、それは漆が持つ防衛機能で外部の悪いものから自身を守っているということ。最近の研究では抗菌作用があることも科学的にわかってきたし、昔の人は自然とそのことがわかって漆を使ってきたんだよね。」

山岸さんのお話を伺っていると、漆が自分たちの今までの生活をどのように発展させてきたかを学び、同時にこれからどんな可能性を持っているのかとても興味がわいてきました。山岸さんは伝統的な技法はもちろん大切にしながらも、「伝統工芸」という言葉が持つ一種の堅苦しさにとらわれず、現代の生活に合い、日本の良さ・美しさを感じられる作品を作っていきたいとおっしゃいます。

「漆の本質とは使い込むことによって出てくる自然の持つ力強さと美しさだよ」と最後に山岸さんはおっしゃいました。箱根での展覧会で皆さまにぜひ山岸さんの漆の世界をご覧いただけたらと思います。

箱根やまぼうしに山岸さんをお迎えして
13 日・14 日の2 日間ギャラリートークを開催いたします。
普段はなかなか見ることのできない漆器の制作工程や
作品に込める情熱などたっぷりお話を伺います。
また聴けなくなったレコードに漆を塗り再生した
「レコ盆」のプロデューサー・木村正宏さんもお招きして
「漆の新たな可能性」についても探っていきます。

【開催日時】 4 月13 日・14 日 14:00 ~

【定員】   各回先着20 名様

【参加費】  無料(入館料500 円は別途必要)

開催日 
4月13日(土)~21日(日)  ※17日(水)は休館日
時間
11:00~17:00 (最終日は16:00まで)
入館料
500円
会場
箱根やまぼうし 〒250-0521 神奈川県足柄下郡箱根町箱根141
電話:0460-83-1288
来場方法・地図
会場周辺の地図はこちらからご覧ください yamaboushi_map.pdf
お車でお越しの際は近隣に5台分の駐車スペースを確保しております
他の契約者がいらっしゃいますので満車の場合は必ず湖畔の無料町営駐車場をご利用ください
ご来場方法でお困りの場合は必ずお電話でお問い合わせください